企業にはたくさんの種類の不祥事が起きます。
(不祥事が起きるのは、民間企業には限りませんが)
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各社・各組織の労務担当のみなさま、不祥事対応お疲れさまです。
今日は愚痴を言います。
過去、1年弱の間に、数人がからむ不祥事となった事案の体験談です。
「そうそう、あるあるだよね」そう同感していただければ幸いです。
1.ストーリー
今回の体験談のストーリーです。
従来どおり、特定されないようにぼかした表現や事実と異なる記述をします。
社員Aが体調を悪くし、急に会社を休みたいと言い出しました。
「仕事が覚えられない、将来が不安」
とのこと。
医療機関を受診することに。
自分自身に落ち度があると自分を責める彼女ですが、詳しく話をきくと、会社側にも問題があることがわかりました。
そこで会社側も彼女を教育・育成する環境を整備し直します。
徐々に彼女の体調は回復、いよいよ復帰に向けて動き出したころ、別の出来事が発覚します。
彼女が復帰を目指していた職場に関係する、とある出来事が起きていたことがわかり、社員Aは結局復帰できず退職してしまいました。
その出来事を実行していたのは、あとになってわかるのですが、社員Bの行動によるものでした。
社員Bを問い詰め、実行を白状し、Bを処分しました。
Aは復帰できず、Bは処分という結末です。
2.改善策
このストーリーについて、会社が行なったことは以下のとおりです。
- Aに「しっかり休養し必要な診察治療を行なうように」、そのために会社もサポートする
- Aの体調不良を引き起こした一因である、会社側が改善すべきことの確認と改善
- とある出来事はなぜ起きたのか、誰の仕業なのかの探索
これらを実行し、やがてAは体調がよくなりました。
会社の改善も進んできたため、Aは復帰への意欲を持ち始めることになったのですが、とある出来事のダメージがAにとって大きかったため、復帰までには至らず。
Aは復帰できませんでした。退職です。
Aの退職決定の時点では、会社が改善すべき点というのはあまり関係なくなっていて、とある出来事の方が大きな影響を持つことになっていました。
それがA個人だけではなく、周囲にも、そして会社にも。
です。
とある出来事を実行したのは誰か。
わかったのは、社員B。
結局Bが全て自供しましたが、なかなか前には進まない時間もありました。
3.処分、そして再発防止
社員Bに対し処分。
苦難の決断でした。
Aは復帰できず、とある出来事の影響で職場全体も雰囲気が悪くなってしまいました。
「Bを採用しなければよかった」
わたしの頭に浮かんだことです。
Bを採用しなければ、この不祥事は起きなかった。
Bを採用するにあたり、合計で4〜5人ほどが彼と面談しています。
その全員がBを採用する決定をしている。わたしもそのひとりです。
なので、わたしだけが「採用しなければよかった」と反省しても遅いし、どうにもならない。
あらためてBの採用の経緯を振り返る。
面接の評価シートも読み直す。適性検査の評価も再確認。
ですが、彼を採用する手順にも、評価そのものにも落ち度はなかった。
そもそも「採用しなければ・・・」というのは、後に戻れる話ではない。
そうなんですよね。
4.各機能がそれぞれ役割を果たす
採用基準を見直すのか
面接の回数を増やすべきなのか
面接官を変えるべきなのか、増やすべきなのか
採用を見直すには、いろいろな観点があるでしょう。
が、上掲の不祥事の根本的な解決策となりうるのか。
小さな会社、小さな部門であれば、わたしのように採用もすれば教育もする。
給与計算もしなくてはならないし、建物の営繕も。
苦情対応、近隣との関係維持、広報、役所対応・・・。
ひとりが、あるいは少人数がかたまって仕事をする。
不祥事対応もするし、採用もしている。
そうなると、不祥事の根本的な解決には“採用”しなければよかった、とあきらめたくなります。
目の前から逃げ出したくなる。
でも、そういうわけにはいかないんですよね。
結局は、採用〜研修・教育〜評価〜コンプライアンスなどなど、各機能がそれぞれで質の高い仕事をしていくしかない。
このストーリーは、全てを詳細に話すと、一晩の酒の肴になるほどにネタが多く、ツッコどころも様々ありそうで、面白いんです。
が、あまたがアクセスできるウェブ上で言えるのはここまでかなあ。
緊急事態宣言が解除され、お酒も解放されたら小出しにするかなあ。